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ープラント工事における品質管理とは?現場で失敗しない基本と進め方ー

プラント工事で品質管理が重要な理由

プラント工事は配管・機器据付・電気計装などが同時並行で進み、ひとつの不具合が停止や事故、再工事につながりやすい分野です。品質管理は「完成品の検査」だけではなく、設計意図を現場で再現するための考え方と仕組みづくりだと捉えると分かりやすいです。材料の取り違え、溶接条件の逸脱、締付トルク不足などは、完成後に見えにくくなるため、作業中の確認が欠かせません。品質を守ることは、納期・コスト・安全の三つを同時に守ることでもあります。

品質・安全・工程はセットで考える

品質が崩れると手直しが増え、工程が遅れ、焦りが安全リスクを高めます。逆に、工程だけを優先すると手順省略や記録不足が起きやすく、後で証明できない問題に発展します。現場では「品質の根拠を残す」視点が大切で、検査記録や写真、材料証明などを適切に揃えるほどトラブルに強くなります。

要求品質を“言語化”して共有する

品質管理の出発点は、図面・仕様書・検査要領書に書かれた要求を、作業員が実行できる形に落とし込むことです。例えば、溶接ならWPSの条件、配管ならクラス・材質・方向、塗装なら膜厚や下地処理など、確認ポイントを短く整理します。朝礼やKYで「今日の品質の注意点」を一言添えるだけでも、ミスの芽を摘みやすくなります。

品質管理の流れ:計画→施工→検査→引き渡し

品質管理は段取りで勝負が決まります。まず品質計画で「何を、いつ、誰が、どう確認するか」を決め、施工中はチェックリストと立会いで逸脱を早期発見します。検査は出来形だけでなく、材料・工程・記録の整合まで見ます。最後に引き渡し資料をまとめ、後日の問い合わせに耐える状態にして完了です。流れを理解すると、現場で今やるべきことが迷いにくくなります。客先の要求や法規、社内基準が混在することも多いので、どの基準を優先するかを最初に整理しておくと迷いません。変更が出た場合は、図面改訂や指示書を通じて最新版を共有し、旧版で作業が進まないよう管理します。また、協力会社が複数入る現場では、入場時教育だけでなく、要所での立会い確認を設定すると品質のばらつきが減ります。写真の撮り方や記録の書き方まで統一しておくと、検査時に差し戻しが起きにくくなります。結果として、引き渡し後のクレームも減らせます。小さな積み上げが大きな差になります。

品質計画書と検査計画(ITP)の作り方

品質計画書は全体方針、ITPは工程ごとの検査ポイント表です。受入検査、工程内検査、最終検査を並べ、立会いの要否や判定基準、記録様式を決めます。ポイントは「検査のやり直しが起きない順序」にすることです。例えば配管は仮組→溶接→NDT→耐圧→塗装のように、後戻りしない並びにしておくと手戻りを減らせます。

記録管理とトレーサビリティの確保

プラントでは、材料のミルシート、溶接記録、NDT結果、締付トルク表、圧力試験記録など多くの証跡が求められます。現場では「探せない=無いのと同じ」になりがちなので、番号付けと保管ルールを先に決めます。系統・ライン番号・機器タグで紐付けると、後で不具合が出た時も原因追跡が早くなり、客先対応の負担を下げられます。

現場で起きやすい不具合と予防ポイント

品質不良の多くは、確認漏れ・取り違え・手順逸脱から生まれます。特にプラントは部材点数が多く、似た部品が混在するため、刻印確認やラベル管理が効きます。また、作業が進むほど隠れる箇所(配管内部、保温下、フランジ面など)は「見えるうちに」検査することが鉄則です。よくある不具合を知っておくと、チェックの優先順位が付けやすくなります。

配管・溶接で多いミス

配管はクラス違い、材質違い、方向違いが典型です。溶接では開先形状、予熱、電流条件、パス間温度などの逸脱が不良の原因になります。対策として、施工前に図面とアイソメを使った指差し確認、WPSの掲示、作業者資格の確認を徹底します。NDTのタイミングも重要で、手直しが大きくなる前に早めに実施すると効果的です。

据付・回転機で多いミス

機器据付ではレベル・芯出し、アンカーボルトの締付、グラウトの養生が要点です。回転機はわずかなズレでも振動やシール漏れに直結します。測定器の校正期限、測定値の記録、再現性のある測り方を決めておくと品質が安定します。加えて、搬入時の外観・付属品チェックを入れるだけで、初期不良や欠品による手戻りを防げます。

品質を上げるための体制とコミュニケーション

品質管理は特定の担当者だけでは完結しません。施工班、検査員、監督、協力会社が同じ基準で動ける体制が必要です。現場では「言った・聞いてない」を避けるため、ルールを短く明文化し、毎日同じ運用を続けることが効きます。さらに、問題が起きた時に責めるのではなく、再発防止までセットで回す文化を作ると、品質がじわじわ上がります。

朝礼・TBMで品質の“今日の焦点”を決める

朝礼やTBMでは安全だけでなく品質の注意点も共有します。例えば「今日は耐圧前の増し締め確認」「保温前に写真を撮る」など、具体的に一つに絞ると現場が動きやすいです。チェック担当と作業担当を分け、相互確認にすると見落としが減ります。伝達は口頭だけでなく、掲示板やチャットに残すと後で確認できます。

不適合処置(NCR)と是正・予防の回し方

不適合が出たら、現物隔離→影響範囲確認→処置方針決定→記録の順で動きます。是正は「直す」、予防は「次に起こさない仕組みを入れる」です。原因は作業者の注意不足にせず、手順・工具・教育・図面の分かりやすさなどを点検します。再発防止を一枚の対策表にまとめ、次の工程で同じミスが起きないよう周知することが重要です。

初心者でも押さえたい品質管理チェックリスト

最後に、初めて品質管理に関わる人が迷いにくいよう、基本の確認点を整理します。全部を一度に完璧にする必要はありませんが、重要度の高い所から習慣化すると現場が安定します。チェックは「書いて残す」ことが前提で、写真・サイン・日付をセットにすると後で強い資料になります。現場のやり方に合わせて、項目を増減しながら使ってください。

施工前:準備の確認

・図面、仕様書、手順書、ITPの最新版が揃っている
・材料証明、受入検査、保管区分が明確になっている
・作業者資格、工具校正、測定器の点検が済んでいる
・立会いポイントと連絡先、写真撮影箇所が決まっている

施工中〜引き渡し:抜けやすい所

・隠ぺい前検査(保温、埋設、閉塞前)の実施と写真
・トルク、芯出し、レベルなど数値管理の記録
・NDT、耐圧、気密など試験条件と判定基準の確認
・引き渡し書類(検査成績、図面改訂、竣工写真)の整理

2026.02.13